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医学部定員1.5倍断固反対!(2)

昨年から大学医学部の定員が若干増えています。確かになかなか女性医師をうまく活用できていない面や、高齢者人口の増加による医師需要が増えているこもあるので若干の増加は仕方ないと思います。しかし看過できない側面もあります。現在の医学部入試は一般のほかに、推薦、学士入学があります。しかし最近一部の大学では地域枠とか、産婦人科、小児科枠とかひどいのは研究枠なんてのも出てきました地域枠はもちろん地元に卒業も残ってくれることを条件とするものです。しかしそれなら自治医大はどうなるんでしょう?都道府県の税金がしこたま使われている私立医大である自治医大。この存在意義自体無くなってしまうのではないでしょうか?また地域枠で地元高校出身者を優遇するならかなり入試の公平性に欠け、さらに居住の自由を奪いかねない条件は少なくとも国立大学法人で許されるのでしょうか?研究枠というのは、臨床研修必修化以降、医学部出身者の大学院進学率が著しく低下したためなのでしょう。もはや医学博士の学位は威光がないのをみんな知ってますから大学院には入らない、まして臨床研修必修化で、卒後いきなり基礎の教室の大学院生になることは事実上出来ないので基礎教室の医学部出身の大学院生は皆無に近いだから卒業後は基礎医学に従事する医学部学生を確保するためにこの枠はあるのでしょうがこれこそ愚の骨頂です。学問というのは自らの心の中から興味があって初めて行うもので、それは時に興味が変わり、18歳やそこらで考えていたのと全く違う道を歩むというのはよくあることで、かつそうあるべきです。基礎にいきたい学生は必修化の免除なども考えてあげればそれですむことだ、そしてまた臨床にもどりたければ研修できるシステムを担保してあげていればいいのだと私は考えます。この制度は医学部のアカデミズムまで蝕もうとしている。きっとこのままいけば10年後は医学部卒業者の研究者の数は激減し、医学部定員が増えても教員(特に基礎医学の)を確保にかなり苦難を強いられることになるでしょう。
某旧帝国大学医学部の6年生が外資系企業の説明会に多数参加していたというニュースが昨年ありました。確かに医学部を卒業したからといって必ずしも臨床医になる義務はないと思います。しかも医学部卒業生が基礎研究者はもちろん、行政部門に行くことも悪くないと思います。最近は大手商社でも医学部出身者を採用したがっているようです。いいのです、卒後いろいろな進路があって、でもイイタイコトはですから医学部定員1.5倍にしても臨床医が必ずしも増えるということにはつながらない。
その上、教育費用は1.5倍かかり、教員の数は今のところ増えないから教育も粗雑になる。いわば粗製な医学部卒業者を乱発することになりかねない。しかも現状では3年目からは野放し医師が増えてしまう。医局のしがらみはいやだといって一匹狼になる医師の質を誰が保証するんでしょうか?
専門医教育は特に外科は徒弟制度です。良い先輩についてまねる。まさに修行だ、ちょこちょこっとやればできるようになるはずがない。それには苦痛が伴い、また努力が必要だ、そして何よりひとりの医師を育てる土壌(場)が必要なんです。そしてその人がまた後輩を教えていく。そういう流れの中で日本の医師たちは育ってきた。金じゃない、より高度な診療技術をめざしてやってきた。それには自己犠牲が必要だった。だから最初の1年看護師にこきつかわれても、それでコメディカルのきもちが分かったりする良い面もあった。でも最近の風潮はどうもそうではない。私は医師のキャリアパスとプライドを著しく損なう現状のシステム不備な中で、決して医学部学生定員を増やすべきではないと思う。
医師不足を改善するのは良い意味での医局の復権にかかっていると思います。
簡単です、全国にはびこるいい加減な研修病院を認可せず、1年目研修先は大学病院と、基幹病院のみに絞り込めばいいのです。
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.07 2009 医療ねた comment0 trackback0

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プロフィール

前橋太郎

Author:前橋太郎
前橋太郎(まえばし たろう)
某大大学院医歯学総合研究科 寄付講座准教授
日常診療における疑問をベンチで解決することを目指すphysician scientist。スローランとザスパクサツ群馬をこよなく愛する。

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