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「不謹慎」に関する一考察

 東北関東大震災から10日経った。被災地の凄惨な状況を見るたびに胸が痛む。また原発もいまだ深刻だ。しかしこのM市や国立G大周辺は甚大な物的、人的被害もなく、あるとすれば「計画停電」や「ガソリン不足」の「被害」くらいと私は思っていた。
  
  今日は春の彼岸の中日、いつもなら30キロくらい離れたO市まで墓参に行くのだが、「ガソリン」が心許なくて、またあいにく雨ということもあり延期した。とはいえ子供の習い事の送り迎えには車使っているので「罰あたり」かもしれない。そんなことを考えつつふと墓地が気になった。そういえばうちの墓地は地盤が傾いていて、ちょっと大きな地震だと倒壊の恐れが。。。胸騒ぎがして朝早くお寺に電話してみた。元住職さんの奥さんの声が力ない。「お宅のみならず、灯篭型のお墓はかなり倒れてます。うちのも倒れてて。。でもまだ皆さん全くの手付かずなんです。お宅のはとくに地盤が傾いてるから酷くてね。まあお手すきになったらお越しください」という内容。かなりショックを受けた。お墓が倒れたことではない、それに10日も気がつかなかった自分にだ。急いで父の実家の叔父に連絡し、見てきてもらったが、かなりの損傷の様子。しかしそれ以上にお寺の本堂などは建て直しが必要なほど壊れたそうだ。お寺さんに「倒れてるなら連絡くれたらよかったのに」とちょっとでも思ってしまった自分の身勝手さを悔いた。週末にはG県のガソリン事情も改善するというので、来週末は是が非でも行ってみてこなければと思う。

  というわけで、いきなり震災の猛威を身に染みて感じた今日だったが、いくつか気になるニュースがあった。いずれもキーワードは「不謹慎」だ。

  不謹慎というのは日本人特有の感情なのだろうか?東北福祉大のある学生がゴルフのマスターズのアマチュア部門に招待され、学生としては初めて出場することになっていたそうだ。しかしそれを「辞退しろ」というメールが彼のもとに多数来ているという。

  確かに多くの電力を使用する、プロ野球やJリーグのナイトゲーム、また多くの医師や医療従事者を一時期に一箇所に集めてしまう各種学会はこの時期どうかと思う。じっさい、日本医学会総会や日本循環器学会は中止もしくはネット開催となった。(セリーグはやる気まんまんみたいだけどね、、どうしようもないね、読売は震災に発言権ないね) しかしこの話はどうも納得いかない。別にマスターズを東北でやるって話じゃないんだ、東北のそして日本の希望として送り出してあげられないものか?そもそも東北高校は甲子園に行ったではないか、高校野球はよくてゴルフはだめなのかい?

このほかに身近では折も折なので歓送迎会が各部署である予定であったがことごとく中止になっている。
(うちの科は、教授がまだ様子見ようといってますが::)

  私にも「不謹慎」の経験がある、浪人1年目の時、母が手術することになり、その日帰郷し付き添った。手術を待っている間、参考書を読んでいたら親戚から「不謹慎」と言われた。その後母は亡くなり、当時私が参考書を読んでいたせいだという輩もいた。
  もうひとつ思い出すのは、米国留学時、うちが親しくしていた日本人家族をあとから来た研究室の後輩一家に紹介し3家族で親しくしていたのだが、ある日、うちの妻が入院することになった。うちはその間てんやわんやだったのだが、後から聞いた話だがその間、残りの2家族で小旅行などに行って楽しんでいたそうだ。これには私は「不謹慎」と思った。

  しかし今考えてみるとどちらも「不謹慎」ではないだろう。橋下大阪府知事が西日本はいつものようにがんばって東日本を応援しようといった旨の発言をしたという。当然だろう。
おなじ大阪でも「震災は天の恵み」などとのたまわった府議会議長とは大きな度量の違いだ。(まあこの人は
政治家うんぬんより人間やめたほうがいいね).

 私も同意見だ。歓送迎会だって、謝恩会だって、華美にしなければ(節電の意識をもって)やめるべきではない。何もなければ普通にやっていて、現時点で他人に迷惑かけないことならやっていい、もしくはきちんとやるべきだと思う。去り行く人をねぎらい、新しく来る人を迎えることはそんなに「不謹慎」だろうか?被災地のひとやなくなったり怪我をされた方々は、そんな「自粛」を望むだろうか?

 私はこの日本人に特有かと思われるデマゴーグが嫌いだ。なんだか戦時中の「非国民」を想起させるからだ。

 同様に停電でもパチンコ屋やレンタルビデオ屋が煌々としているのに、病院が停電とは何事という意見もある。実際私も、本学独自のルールに基づく「停電」時にはそうも思った。だがどうだろう、これも「不謹慎」の観念の香りがする。何が必要で、どれが不要かどうやって線を引くのか、もしくは誰が決めるのか非常に難しい。
そもそもパチンコ屋もビデオ屋もそれで生計を立ててる人たちがいるのだ。
(実際大学ルールは研究部門は不要と考えているふしがあるが。。)

 一方、こんな発言もあった、ACLに出場するあるJリーグチームの選手が震災直後の試合出発前に「ホントはサッカーなんかしてる場合じゃないと思う」と発言した。私は非常に違和感を持った。「サッカーなんか」はないだろう!。謙遜なのかもしれない、一応自分では気を使ったのかもしれない、でもこれは言っちゃいけない。
豆腐屋さんは地震が来たからと言って「豆腐作ってる場合じゃない」というだろうか?
私は研究者の端くれだが「研究なんかしてる場合じゃない」と思ったことすらない。
もっと自分の仕事、役割に誇りをもったらどうだ?そこで「不要」の定義は自らが自分の仕事を現在「不要」とおもうなら不要だとしたい。
結局そのチームは中国のチームに完敗した。そんな士気じゃ勝てるはずがない。

いきつけのバーのマスターからメールが来ました。停電の中でもキャンドルつけて、まってますって。。
そうだよ、その意気だよ。いまみんなに必要なのは!。
単に盲目的に「自粛」することが美徳じゃない。変にカッコつけるなって言いたい。(了)

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.21 2011 未分類 comment2 trackback0

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あま
無事でなにより。
やはり、命に関わる事は必要だろうと思う。
病院で節電、停電はないんでは。
計画停電に群馬が徹底的にたたきこまれている現実は?
2011.03.26 22:38
前橋太郎
いやあほんとに昨日は焦りました。おかげで夜頭痛がして
大学に珍しくいけませんでした(書き物山積みなんですが;;)

大学も最近はようやく東電が停電しないといった時は、「自主停電」
しなくなりましたが、アホな自主停電を繰り返した結果、自家発電機
が一機壊れてしまい、次回まじめに停電されると、外来はおろか病棟の
入院患者さんのケアも難しくなる事態です。(まさにオオカミ少年の末路)
しかしながらおっしゃるとおり、はじめから大きな病院はスペアしてくれればいいだけの
ことなんです。ちなみにこの第5グループにはG大病院、M橋日赤、G馬中央、国立T崎医療C
の本県を代表する大きな病院がぎっしり入っています。でも東電は停電を「個々に対応せず行う」
そうです。診療の安全が保てないなら、診療拒否もせざるを得ないでしょう。

G馬でも新M橋駅の操車場付近、吉岡町、相馬が原駐屯地付近一帯、水力発電所のある沼田市は一帯が無停電地帯になっています。いままで一回も停電したことないそうです。

2011.03.27 07:47

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プロフィール

前橋太郎

Author:前橋太郎
前橋太郎(まえばし たろう)
某大大学院医歯学総合研究科 寄付講座准教授
日常診療における疑問をベンチで解決することを目指すphysician scientist。スローランとザスパクサツ群馬をこよなく愛する。

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